養護老人ホーム満寿園の定員は、60名です。
そのほとんどの方が、何かしらの薬を服用しておられます。
介護職員は、毎食前後にご利用者さんが薬を飲むのを介助します。これを「服薬介助」と呼んでいます。1回の服薬介助で、1人の介護職員が10名~20名のご利用者さんに、その方の状況に合わせた方法で介助をおこないます。その時、介護職員は服薬介助だけをしていればよいかというと、そうではありません。服薬介助をおこなっている時に周りでいろいろなことが同時進行しています。そしてさらに、同姓の方もおられ、さらにさらに、同姓で名前の最後が一字違うだけ!という方もおられます。
心理学的に「マルチタスク(2つ以上の作業を同時に行うこと)ができる人」は人口の約2%しかいないという研究結果があります。また、人間の脳は、2つのタスク(作業)ならば同時に処理できるが、3つ以上のタスクに取り組むのは能力を超えているという研究結果もあるそうです。私たちは、同時進行で起こっている事象に対して同時進行で対処するには限界があります。なので、様々な方法で介護職員の脳の中の混乱を少しでも減らして、タスクの切り替えをなるべく早く的確に行えるように工夫しています。
法人本部からの今回のブログは、前回に引き続き、先日行われたあしぎぬ福祉会の「第7回実践発表会」での発表についてです。養護老人ホーム満寿園から誤薬防止の取り組みについての発表がありました。
養護老人ホーム満寿園で行っている工夫として、少ない職員の中でダブルチェックが難しい中、素早く的確な判断ができるように、情報を正確に認識できるようにしていました。
例えば・・・
・ラミネート加工した見やすい札を作成
・名前の文字サイズを大きくする
・名前だけでなく、顔写真でも確認
一つ一つは小さな工夫、改善ですが、小さなことが事故防止に効果を上げています。